飯古建設有限会社の求人情報

人のあたたかさに触れながら、島の暮らしを支える仕事にチャレンジしてみませんか。

建設業、漁業(島根県 海士町)

日本海に浮かぶ隠岐諸島のひとつ中ノ島・海士町。近年、多くの移住者が住む町として注目されています。そんな場所で「島唯一の総合建設業」として人々の生活を支え続ける飯古建設有限会社(以下、飯古建設)。

創業は1960年。1977年に有限会社となり、湾岸・橋・道路整備から水道配管工事、排水工事、道路上の倒木撤去など、町内の土木工事全般をはじめ、宅内の水道配管や排水工事など、住民からの要請にもできるだけ対応しています。

また1996年、海士町の漁業組合の経営が大きく傾いていた際に、「地域の一次産業があるからこそ、建設業は存続する」という前社長の強い信念から定置網事業を買取り、社内に「定置網事業部」を立ち上げました。海士町と連携しながら地域活性や雇用創出にも貢献している企業です。

まずは、会社の特徴や入社後の流れを、自身のエピソードとともに、入社14年目を迎える工務課長の岡本光さんに伺いました。

Q.従業員にはUIターン者が何人もいらっしゃると聞きましたが?

はい。定置網事業部はほとんどが県外からのIターン者です。他の部署は比較的Uターン者が多いですね。というのも、海士町では進学や就職で一旦島を出る人が圧倒的に多いので、必然的にUIターン者が多くなるんです。ずっと島にいる人の方が少ないかもしれません。

実は私も一度は進学で大阪に出ましたが、馴染めずに帰ってきました。最初は、別の建設会社でバイトをしていて、お金を貯めてまた出たい時が来たら出たらいいかなと思っていたんですが(笑)、結局そのまま正社員となり、10年以上働いていました。でも、その会社が廃業することになり、飯古建設に就職させてもらうことになったんです。

ご自身の体験をユーモアも交えて話してくれる岡本さん。その言葉や表情からは、地元への愛着が伝わってくるようでした。

Q.必要な資格は何がありますか?

土木施工管理技士(2級、1級)や、現場で働くなら大型免許・大型特殊免許があれば即戦力で活躍できると思います。でも、入社する時には持っていなくても構いませんよ。

建設現場で働くには、たくさんの資格取得や免許が必須となります。しかも、作業や技術向上の資格取得については会社が全面的にバックアップしてくれるそう。

事前の講習や実際の試験は必ず島外にいかなければならないのですが、受講費や旅費などはすべて会社が支払います。資格がないと仕事を進められませんから、若い人には仕事に役立つ講習などには参加するようにどんどん勧めています。

Q.未経験でも大丈夫ですか?

もちろん、未経験の方でも大丈夫です!介護職から転職してきた人もいますよ。必要な資格は入ってからでも取れますので安心してください。

異業種からの転職も多いという飯古建設。そういう方たちにとっては、ありがたい資格取得のサポート体制ですが、実際の現場ではどのように仕事を覚えていくのでしょうか。

まずは、現場のサポートをしてもらいます。測量とか、図面作成の補助ですね。そういうことを経験しながら、他の仕事も少しずつ覚えていってもらいます。仕事を覚えるまでは、先輩の言葉をきつく感じることもあると思いますが、徐々に仕事を覚えて慣れていけば大丈夫。

建設現場では、常に事故のリスクと隣り合わせのため、万が一のことが起こらないようしっかりとした教育と、管理体制が必要になってきます。そうしたことから、時には厳しい言葉もあるかもしれません。しかし、それは大事な従業員を守るため。

現場を経験しながら、何年後かに資格を取ってもらえればと思います。例えば、小さな現場の責任者であれば資格は必要ありませんが、土木工事などの大きな現場になると土木施工管理技士の資格が必要になります。資格の有無によってできることが変わってくるので、できるだけ多くの資格を取ってもらって、どんな案件でも担当できるようになってほしいですね。

一般的な現場では、複数の業者が関係していることが多いですが、飯古建設は島で唯一の総合建設業ですので、一つの現場の作業を一社で完結できるという強みもあります。その分、個人が担当する業務が多岐に渡ることも。

人数が少ないので実務作業の他にも現場の写真を撮ったり、書類整理をしたり、全部一人でやらなければいけません。あとは、役場とのやりとりをスムーズにするためのコミュニケーション能力も必要になってくると思います。大変なんですけど、その分やりがいも大きいと思いますよ!

覚えることもたくさんありそうですが、様々な業務に携わることで、仕事全体の流れが把握しやすく、自分自身の成長も実感できるようです。

道路などを作っている間はすごく大変です。作業はもちろん、工期にも追われるのでスケジュール管理をしっかりと行わないといけません。でも、それが完成した時、良いものができて良かったなぁ…としみじみ思いますね。

Q.どのような方に入社してほしいですか?

あえて言うなら、打たれ強い人がいいかもしれません。隠岐の人は、口調が荒いし声も大きめで、最初はどうしても「叱られている」と感じてしまう人もいると思います。でも、実際は怒っていませんよ(笑)本気で育てようと思っているから、真剣になってつい荒い言葉が出てしまうんです。それを、流せるような、前向きな人がいいですね。それに周りと良い関係を築くためにも、気が利くことも大事かな。

あとは、建設や土木の仕事に興味がある人ですね。1から10までしっかりと指導しなければいけないことも当然あります。でも、興味がある人なら、重機の動かし方一つにしても自分でまずやってみて「ここを動かしたら、こう動くんだ」とわかってきます。仕事に積極的だと、より技術が伸びると思います。

実際に動かしてみることが大切だと語る岡本さん。自身も最初は「とりあえず乗ってみて」と2日くらい重機に乗って自由に操作させてもらったのだとか。自分で動かしてみて、何がどう動くのかを体験して興味を持つ。そういう意欲があれば、自然と技術も身についてくるとのこと。

Q.求職者へのメッセージ

ここ数年、従業員の高齢化が進んでいます。今は、60代以上の従業員が全体の半数以上を占めているのが現状です。未経験でもいいので、会社を助けてほしい!というのが本音です。楽しみながら仕事をして、技術や知識を身に付ければ、きっと役に立つはずなので、気構えずにまずは一度来て、やってみてほしいですね。

「もし嫌になったら、フェリーに乗って帰ればいいので(笑)。」と冗談めかして話す岡本さん。人を思いやる優しい心と飾らない言葉は、地元の方が信頼を寄せる飯古建設の誠意が表れているようでした。

次に、岡本さんと同じ工務課の所属で、2011年に海士町にIターンした笹鹿恵子さんにお話を伺いました。

Q.なぜ、海士町にIターンして来られたのですか?

私は埼玉県出身で、ここに来る前は静岡県に住んでいました。主人が、飯古建設の定置網事業部に興味を持ち、海士町に家族で引っ越してきました。

最初にご主人が飯古建設で漁業を行うと聞いた時、会社に対するイメージはどうだったのでしょうか。

実際に来る前は、本当に実在する会社なのかな?と思っていました(笑)島に来たこともなければ、ネットで調べることもしなかったので。それから初めて島に来て、色々な人に話を聞いて「あぁ、本当にある会社なんだ」と安心したのも、今となっては笑い話です。

島に来て初めて会った、先代の田仲社長(以下、前社長)。当時、日焼けして真っ黒の顔だった前社長が発した「私の顔は黒いけど、心は真っ白だよ」というユーモアのある言葉で、慣れない土地に不安だった笹鹿さんの心が解きほぐされたと言います。部署は違いますが、今では夫婦揃って同じ会社に勤務している笹鹿さん。ご主人からの紹介で入社したのかと思いきや、そうではなかったそう。

私が移住後に仕事を探していると、親しくなった海士町の観光協会の方が「今ならここが空いているよ」と教えてくれたのが偶然にも飯古建設でした。島に来て、3ヶ月くらい経った頃にはもう働いていましたね。

Q.工務課ではどんなお仕事を担当していますか?

書類作成や整理など、工事のお手伝いが主な仕事です。現場に出ることはあまりないですが、たまに測量の手伝いなどに行くことはあります。慣れない作業でも、先輩に教えてもらえたので仕事を覚えていくことができました。みんな優しく教えてくださるので、ありがたかったです。

Q.楽しく仕事を続けられるポイントはありますか?

私は子どもが3人いますが、学校や部活などの行事がある時には、気兼ねなく休むことができています。特に女性従業員はみんなそうですね。前社長がとにかく女性には優しかったですから。その雰囲気は今でも残っていると思います。

現場では厳しく、でも事務所には絶対にそれを持ち込まなかったという前社長。職場の皆さんがリラックスできるように、社内の雰囲気を明るく保っていたそう。

従業員のこと、人のことを心から想う前社長。志半ばで2021年に亡くなった前社長の意思を引き継ぎ、現在の飯古社長に変わった後も、以前から引き継がれている社内の雰囲気は大切にされているそう。

例えば、従業員の体調管理への気遣いから導入された「1年間禁煙できたら10万円支給」という独自の社内制度があり、今まで7人が達成してきました。最近「僕、そういえば1年間禁煙していました」と申し出る従業員がおり、久しぶりに飯古社長直々に表彰されたそう。

飯古社長は、これまで築いてきたものを壊さないようにとプレッシャーも大きいと思いますが、すごく明るくて楽しい社長なんですよ!

明るい笑顔で社内でのエピソードを教えてくれる笹鹿さん。事務所では笑い声が飛び交い、人間関係の良さが伝わってきます。

さて、海士町はUIターン者が多い町。移住後の生活も気になるところです。

Q.オフはどんなことをして過ごしますか?

やっぱり夏は海ですね。家のすぐ近くに海があるので、休みの日には子どもたちと一緒に色々なマリンスポーツやバーベキューをしています。私個人ではバレーボールやソフトバレーボールをやっています。ついこの前の週末もソフトバレーの大会でお休みをもらいました。大会となるとフェリーで本土の会場に行かなければならないため、どうしても泊まりがけになってしまうのですが、それも楽しみの一つですけどね(笑)

Q.海士町での子育てはどうですか?

子どもたちはのびのびと育っていると思います。今住んでいる住宅の周りに子どもがたくさんいるので、子どもたちだけで遊んでいますね。子どもが自分たちより小さい子の面倒を見たりしています。車の通りも少ないので安心ですね。

最近では、子育て中の家族が子どもの育つ環境を重視して海士町へ移住をするケースも増えています。子どもたちが自然の中で思いっきり体を動かして遊ぶことのできる環境はとても羨ましいですね。

子どもは自然のことに詳しくなって、海で「この貝は食べられるよ」など、色んなことを教えてくれるんです。牡蠣の殻の外し方も、触ったらいけない海草なんかも私より詳しいです。島の人に教えてもらったんでしょうね。ここに住む人たちの知識は本当にすごいなと驚かされています。島で暮らすと、“生きる知恵”が身に付きますよね。

Q.では、島でのご自身の暮らしはどうですか?

外食するところが少ないので、なんでも自分で作れるようになります。あとは、私はやっていないけど、野菜とか育てたらおもしろいかもしれません。野菜を買いに行くと、お店の人に「こんなの作ればいいじゃん」と言われます(笑)あと、野菜や魚をもらうことも多いですよ。

困っていたら助けてくれる人がそこにいる。それはこの島では当たり前。暮らしの中でも、会社の中でも、笹鹿さんはたくさんの人に助けられたと話します。

Q.移住に迷っている人へメッセージがあればお願いします。

迷ったら、一度島へ来てみたら良いと思います。私は思い切って飛び込んだら、周りの人がなんとかしてくれて、従業員を始め地元の人に温かく迎えてもらいました。地元の人には本当に助けてもらいましたね。だから、大丈夫です!

では、最後に社長の飯古晴⼆さんからのメッセージです。

Q.今後の会社のビジョンを教えてください。

飯古建設の工務部、定置網事業部、総務、生コン工場、整備工場、そして海士リサイクルプラント、隠岐潮風ファーム(畜産業務)と経営する中で、工務部含めて人手が足りない、隠岐牛のエサが高くて儲からない、魚の漁獲量が少ないだなど、悩みはいっぱいあります。それでも、隠岐(海士)の中で従業員が楽しく暮らせるように、グループみんなでカバーし合える会社へとなりたいです。

Q.採用にかける想いは?

飯古建設は、現場監督、現場作業員、工事車両運転手、整備士(車両・建設機械)、事務員(経理)、定置網事業、そして関連会社として隠岐潮風ファーム(畜産業務)で求人募集しています。
隠岐という離島ならではの苦労がないわけではありませんが、島で生きるための楽しさもあります。自然に囲まれて肩に力を入れずに楽しく働く場所を提供します。人と人とがカバーし合いながら楽しく生活するためにも、会社の発展に協力してほしいです。

Q.求職者にメッセージをお願いします。

もしも海士町で働きたいと少しでも興味をもってくれたなら、まずは遊びに行く気持ちで一度来てみてください。そして実際に来てみてここで働くことを迷ったならばとりあえず飛び込んでみてください。「離島」で働くことに不安があるでしょうが実際に生活し働いている人たちに会えばきっとその不安は杞憂に終わることでしょう。「ないものはない」というのがここ海士町のキャッチフレーズです。都会には「ある」けど、ここには「ない」こともみんなで工夫しながら楽しんで生活しています。 一緒に飯古建設を、海士町を盛り上げていきましょう!

建設業や一次産業も担い、“地域に寄り添う企業”として事業を展開する飯古建設。社内は明るく、時には冗談も飛び交う雰囲気が、現場から帰ってきた心を癒してくれそうです。
人に優しく、人とともに。助け合いの精神が当たり前のようにある島の暮らし。
あなたも新しい環境で、新しい仕事にチャレンジしてみませんか?

(2022年11月取材)

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