出雲玉造温泉 白石家の求人情報

若者達が紡ぐ新たな歴史と挑戦。老舗旅館を舞台に、日本一を目指そう。

宿泊業,飲食サービス業(島根県 松江市)

スタッフ写真

島根県の歴史ある温泉地、玉造温泉。美肌の湯として全国的にも知られ、たくさんの温泉旅館が軒を連ねるこの場所に、ひと際若者の笑顔が輝く旅館があります。約300年という古い歴史を持ち、若者の雇用や女性活躍の推進など、新しい取り組みにも積極的な出雲玉造温泉白石家(以下、白石家)で、仕事の魅力や若者が集まる職場環境の秘密についてお話を伺いました。

まず初めにお話を聞かせてくれたのは、お客様の“おもてなし”を担当する旅館の顔、コンシェルジュ課の係長菅家みくさんと、坂口真琴さん。Iターンで島根に来たというお二人に、入社の経緯や島根に引っ越して感じた印象を教えていただきました。

菅家さん
菅家さん

私は福島県の出身で、東日本大震災がきっかけで高校生の時に島根に来ました。元々住んでいたところが田舎だったので、松江の方が都会だと思いました。公共交通機関は不便なところもありますが、とても住みやすいと思います。

東日本大震災という大きな出来事をきっかけに島根に来た菅家さん。当時は辛い思い出もあったのでは?

菅家さん

友人はみんな引っ越してきた理由を知って、とても優しくしてくれました。疎外感を感じることも全くなくて、島根の人は本当に優しいなって思いました。高校卒業後は島根県立大学短期大学部に進学し、白石家に入社して5年目になります。

キラキラした笑顔で語る菅家さんを見ていると、島根に来て感じたという人の温かみや、仕事への充実感が心に伝わってくるようでした。

続いて、坂口さんにも入社の経緯を伺いました。

坂口さん
坂口さん

私は広島県の出身で、菅家さんと同じ島根県立大学短期大学部に進学して、卒業後に白石家に就職しました。今年で入社3年目になります。

Q.白石家には島根県立大学短期大学部の卒業生が多いんですか?

坂口さん

客室係には多いですね。特に私の同期や先輩方の中には大勢います。

菅家さん

実は、白石家の女将が島根県立大学短期大学部のOBで、キャリアプランニングの授業で講演していたこともあるんです。そこで興味を持って就職したという人が多いですね。 女将とは毎日夕食会場で一緒に働いているんですが、「これお願いします!」と、配膳をお願いすることもよくあります(笑)。いつも笑顔で、やわらかい雰囲気で…。白石家の働きやすい雰囲気は女将が作り出しているんだと思います。

白石家で大勢の若者が働いているのは、「若者を雇用するために何かをしたから」だけでなく、若者が働きたくなる魅力的な職場を、12代目女将であり社長でもある内藤優子さんを筆頭に皆さんが作り上げていたから。そんな白石家で働きたいと若者が集まるのは、自然なことなのかもしれません。

坂口さん

私は短大で英語文化を学んでいて、短期留学でアメリカに行った際に自分って何も日本のこと知らないんだな…って気付かされたんです。それがきっかけで、日本の文化を知りたいと思うようになりました。そんな時にキャリアプランニングの授業で女将の講演を聞いて興味を持って、いろんな旅館業を見た中で、楽しく働けそうだと思ったのが白石家でした。

菅家さん

私は観光系の仕事がしたいとずっと思っていたので、高校・短大共に観光系の学科を専攻していました。インターンシップで白石家に来たこともありましたよ。 就職活動の時は合同説明会でいろんな旅館の話を聞いたんですけど、説明会に来ていた白石家の若い先輩たちがいきいき話をする姿が印象的で、ここなら楽しく働けると思って就職を決めました。

「楽しく働けると思った」と口を揃えて教えてくれた菅家さんと坂口さんに、「実際に働いてみてどうですか?」と問いかけると、「年が近い人が多いから学校みたいな感じで…」と、2人で笑い合いながら教えてくれました。その様子はまるで授業の合間の休み時間のよう。 仕事への想いを熱く語るきりりとした表情とのギャップは、自然体で居られる職場環境をものがたっているようでした。

菅家さんと坂口さん

続いて、入社後の研修や普段の業務内容について教えていただきました。

Q.コンシェルジュ課ではどんな業務を行うのですか?

菅家さん

コンシェルジュ課は私たちのようにお客様のご対応をする客室係とフロントに分かれています。ただ、完全に分業ということではなく、状況に応じてお互いフォローしながら仕事しています。人数は、客室係が13~14人くらいで、フロントが7人くらいです。20代の人が多いですが、色んな年代の方が所属していますよ。

Q.入社後はどんな研修がありますか?

菅家さん

最初の1週間は座学を受けたり、言葉使いや接客姿勢などのビジネスマナーを学びました。それから、配属される部署以外の業務体験もありました。料理の盛り付けとか、お風呂掃除とか。その後はコンシェルジュ課に配属されて、先輩に一から実務を教えてもらいました。

白石家ではワークシェアを積極的に行うなど、みんなで支え合い、助け合いながら仕事をする風土が根付いているのだそう。そんな現場の雰囲気が分かるエピソードを坂口さんが教えてくれました。

坂口さん

夕食会場でお料理をご提供する時は、すべてのお客様にちょうど良いタイミングでお持ちしなきゃいけないんですが、1人で複数のテーブルを担当するので、自分だけでは対応できない時が出てきます。こういう時は、女将でも先輩でも同期でも後輩でも、手が空いている人にお願いして持って行ってもらっています。

うちでは女将や部長も現場に来て率先してフォローしてくれるんです。上の人がそういう雰囲気だから、職場全体が助け合う雰囲気になっているんだと思いますよ。

白石家の皆さんの助け合いの精神や人を思いやる心意気は、「家族をもてなす気持ちでお客様をおもてなしする」という代々伝わる理念を体現しているようでした。

接客風景

旅館の勤務といえば、1日のスケジュールも気になるところ。菅家さんに普段のシフト体制やスケジュールを伺いました。

菅谷さん

13時40分に出社し、間で1時間休憩を挟んで22時までの勤務になります。旅館では長い休憩時間を挟む中抜けや、たすき掛けと言われる夕方~翌日にかけての勤務がありますが、白石家ではほとんどありません。月に2回くらいお客様のお見送りをするために8時に出社して中抜け勤務になることがあるくらいです。

中抜けがあると、どうしても1日の拘束時間が長くなってしまうので、白石家の勤務体制はとても有難いです。22時終業と聞くと遅いと感じる人もいるかもしれませんが、体力的に大変だと思うことはありません。むしろ午前中が自由なので、病院や銀行に行ったり、用事も済ませられて便利なんです。

白石家では、拘束時間の長い中抜け勤務を減らす以外にも、家庭と仕事を両立できるよう、朝のフロント勤務や朝食担当などへの部署移動も柔軟に対応しているそう。ライフステージが変化しても安心して長く働ける職場であることも、白石家が働く人に支持される理由なのかもしれません。

そんな職場環境で働くお二人に、仕事のやりがいや今後の目標を伺いました。

Q.仕事のやりがいや今後の目標は?

菅谷さん

やりがいを感じる瞬間は、担当したお客様がリピートの時に「担当は菅家さんで」と指名してくださった時ですね。お帰りの際に「次も〇〇さんが良いです」と言ってくださるお客様も結構いらっしゃって、本当に嬉しいです。

私は入社4年目の時に係長になって、お客様を担当するより部署全体を見ることが多くなったので、今後は周りのフォローがよりしっかりとできるようになりたいと思っています。係長だからと頼みづらい雰囲気にはしたくないので、今の距離感を大切にして、気軽に頼ってもらえる存在になりたいですね。

そこにすかさず、「菅家さんお願いします!って毎日頼んでますよ!」と合いの手を入れる坂口さん。管理職の皆さんがそうしてきたように、菅家さんも気軽に頼れる先輩として周りを支えている様子が垣間見えるようでした。

続いて、坂口さんにも仕事のやりがいや今後の目標を教えていただきました。

坂口さん

私はお客様に喜んでいただけると、「あぁ、やっていて良かったな」としみじみ感じます。 目標は、毎年社内で開催される「おもてなし大賞」で上位を取ることです。客室アンケートの結果を1年間集計したもので、職場のみんなは仲間だけどライバルでもあるので、私はそこで切磋琢磨することでより頑張れている気がします。

菅家さん

坂口さんは去年のおもてなし大賞でぶっちぎりの1位だったんですよ!頑張ればこうやって表彰されるから、みんなもそういうのを目指して頑張ろうね!と課内でモチベーションが高まっています。

最後に、管理職である菅家さんから求職者の方にメッセージをいただきました。

菅家さん

白石家の「や」は「屋」じゃなくて「家」と書きます。それは、お客様を家族のようにおもてなしをするという昔からの理念です。そして、「従業員はみんな家族」という想いも込められています。そういう気持ちを共有し、おもてなしのプロを一緒に目指せる方と働きたいと思っています。

居心地の良さだけでなく、プロとしての責任感や切磋琢磨できる仲間の居るこの環境が、白石家に若者が集まり、共に成長できる要因なのかもしれません。

接客風景

続いて、情報営業部Web課の係長、佐藤 太陽さんにお話を伺いました。

海士町出身の佐藤さんは島根県立大学に進学し、サービス系のアルバイトに数多く従事した経験を生かせる仕事を探していた際に、白石家の求人を見つけたとのこと。中抜けの無い勤務体制のほかにも、先進的な取り組みを積極的に進める白石家に興味を持ったという佐藤さんに、会社の取り組みについて教えていただきました。

佐藤さん
佐藤さん

僕が就職活動をしていた当時から旅行会社頼りじゃなく、ネットを使い自分たちの力で集客しようと力を入れていました。その当時はありえないことをしているなと思ったんですけど、じゃらんnetの売上で、玉造温泉の2倍以上の観光客が訪れる道後温泉の施設を抜いて、中国四国地区1位を獲得しました。

その他にも、同じくじゃらんnetの「泊まって良かった宿大賞」でも中四国地区で満足度1位を獲得するなど高い評価を得ているという白石家。その秘訣はどこにあるのでしょうか?

佐藤さん

お客様の満足度を上げるために、まず従業員が働きやすい環境にすることを積極的に進めました。それから、若い従業員を増やすこと。若い従業員が増えることでコミュニケーションが密になり、より良いおもてなしに繋がっています。

Q.若い従業員が多いとのことですが、平均年齢や男女比は?

佐藤さん

平均年齢を出すと30代半ばになりますが、実際は20代の若者と長年働いているベテラン社員…という構成で、中間の年齢層が少ないんです。ベテランの方々がとても柔軟で、若い人の意見を積極的に取り入れてくれますし、逆にマナーなんかはしっかり教育してくれるので、とても良いバランスが取れています。男女比は女性6割、男性4割くらいですね。

年齢や男女の壁が無く、風通しの良い雰囲気は会社全体に行きわたっているそう。お客様から「白石家のアットホームな雰囲気が好き」という声が多いのも、従業員の皆さんの工夫や気遣いが肌で感じられるからなのかもしれません。

現在は新卒採用が多い白石家ですが、会社をより大きくするために中途採用も積極的に行っているそう。今後はオンライン説明会や面接ができるよう整備を進めるなど、採用活動でも時代の流れに合わせて柔軟に対応しています。

佐藤さん

じゃらんnetで中四国地域6年連続売上げ1位という目標を達成したので、次は完全週休2日制の導入を進めて、さらに働きやすい職場環境にしたいと考えています。あと、うちの若女将も今産休中なんですけど、今後は結婚しても仕事を続けやすいシフト組みや制度を整えて、もっと女性が働きやすい職場環境にしていきたいですね。

産休中の若女将 中村 祐香さん
産休中の若女将 中村 祐香さん

Q.求人応募にあたって、必要な資格や経験はありますか?

佐藤さん

特にありません。人と接するのが好きな方、サービス業で働きたい人、人を笑顔にするのが好きな人にぜひ来ていただきたいです。絶対におもてなしのプロにするという自信があるので、「胸に飛び込んで来い!」って感じです(笑)。UIターンの方もウエルカムです。白石家は日本一を取るのが目標なので、同じ夢に向けて頑張ってくれる同志を求めています!

力強く語る佐藤さんの表情はとても楽しそう。現在入社5年目、27歳の若さにして係長として日々奮闘している佐藤さんですが、年若くして役職に就く不安や苦労もあったのではないでしょうか?

佐藤さん

確かに最初は不安もありましたが、白石家では新人研修以外にも色んな研修をやっていて、管理職の研修を受ける中で、中間管理職の業務内容、売上げ関係、一般社員とどう違うのかなんかも学ばせていただきました。それで少しずつそういった目線で物事を見られるようになってきましたね。

若者を見守り、時には背中を押し、手を差し伸べる。白石家の風土は、あたたかい親心を思わせるようでした。

白石家内観

最後に、佐藤さんの今後の目標を教えていただきました。

佐藤さん

菅家さんや僕のように、若い従業員で管理職になっている人が何人かいるんですけど、その人たちの次の目標は若手の育成ですね。日々苦悩していますが、この悩みも絶対に今後のプラスになることなので、頑張らないといけないなと思っています。

ご自身のことを語る時も、いつも誰かのことを思いやっている白石家の皆さん。この自然と湧き出る思いやりの心が、訪れる人に感動を呼び、また来たいと思わせるのかもしれません。

続いて、仕入購買課の内藤祐介さんにお話を伺いました。現在入社1年目の内藤さん。Uターンで島根にもどり、人と話したり笑わせたりするのが好き…ということから、白石家への就職を決めたそう。現在は佐藤さんのもとで勉強しながら業務にあたっています。

内藤さん

Q.仕入購買課はどんな業務を担当する部署ですか?

内藤さん

食材や食器、旅館内で使う色んな器具や家具などを発注管理をする部署です。メインは料理に使う食材なんですけど、依頼されたものをそのまま発注するのではなく、本当に必要か、数量は適正かを吟味して発注しないといけないので責任重大です。

佐藤さん

女性従業員はおもてなしのプロを目指す方が多いんですが、それ以外の方、主に男性従業員は経営的なスキルを磨くために最初は購買課に配属されます。発注はかなりの量なので、買いすぎると経費が増えるし、足りないとおもてなしの質が下がるので、管理するにはスキルが必要です。 そこのコントロールをする大切な仕事を入社1年目に任せているんですよ。それをすることで会社の売上とかに興味を持ってもらえますし、経営の感覚も掴めてきます。

白石家では、何でも自分でチャレンジするところからスタートするそう。上手くいかない時にはまず自分で考え、それから先輩とPDCAサイクルを見直すことで業務の理解度を深めるという社員教育を行っています。

発注業務にも、ドリンクメニューのリニューアルを担当したという内藤さん。上司である佐藤さんに相談しながら調整を繰り返し、完成した時には達成感もひとしおだったと笑顔で教えてくれました。そして、佐藤さんを「自分のアイデアを形にしてくれる上司です。」とはにかみながら教えてくれる一幕も。

佐藤さん

ケンカばっかりですよ(笑)

内藤さん

意見のぶつかりあいって感じですよね(笑)

佐藤さん

意見の言えない風通しの悪い職場にはしたくないので、こういう率直な意見が言い合える関係はとても良いと思っています。

内藤さんと佐藤さん

今後はマルチに活躍できるよう、他部署の業務も完璧にできるようになりたいと、目標を語ってくれた内藤さん。それは、「全スタッフがいろんな業務をできるように」という会社の方針でもあります。

佐藤さん

主に男性社員のモデルケースなんですけど、入社1年目は購買課で仕入れの勉強、次にフロント、その次に情報営業部で宿泊プランや売上関係の仕事をする…という感じで、複数の課を経験し、ワークシェアリングができるよう徹底しています。 そうすることで、お客様がいつだれに声をかけてもご要望に応じられるので、質の高いおもてなしに繋がるんです。

奇抜なことや派手なことをするのではなく、お客様に寄り添う姿勢がどこまでも徹底している白石家。自然と旅行や観光が好きな従業員が集まるようで、休みの日に旅行に出掛けたり温泉地をめぐることも多いのだとか。

内藤さん

この仕事を始めてから旅行に行った際に見るところが変わって、ますます楽しくなりました。料理のメニュー表とか、すべてが参考になるのでとにかく面白いですね。 それから、求職者の方には勤務体制が中抜けじゃないので自分の時間がとりやすいという点も伝えたいです。本当に働きやすい環境だと思います。

若手社員が多いため同年代の友人もできやすく、中にはルームシェアしている従業員もいるそう。

仕事風景

創業から300年を超える老舗旅館でありながら、古くからのしきたりに捕らわれず新しいことにチャレンジしつづける白石家。それは、「家族に接するようにおもてなしをする」という明確な軸があるからこそ、そのために何ができるかを時代と共に考え、形にしてきたからなのかもしれません。

日本の古き良き伝統を受け継ぎながらも、自らの手で新たな歴史を刻んでいけるやりがいのある仕事を、あなたも一緒にしてみませんか?

(2020年9月取材)

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