UIターン者のしまね暮らしにクローズアップ

ON大好きな地元にUターン養殖岩ガキ発祥の地で独立目指す Report03平木欧介さん21歳 岡山県 >>> 西ノ島町
OFF同世代の若者らと集まって草野球好きな釣りも堪能

ONの日スケジュール

ONの日スケジュール
6:50 「起床」
本当は6時過ぎには自分で起きたいけど、なかなか起きられず、両親に起こしてもらうことが多い。
7:30 「出航」
船で、養殖岩ガキの「イカダ」まで出航。岩ガキを引き上げます。
9:00 「岸へ戻る」
岸に戻って、岩ガキの殻についたフジツボなどを取り除く。
12:00 「昼食」
料理好きの父が作ってくれた弁当を自家用車の中で食べる。好きな献立は、鮭の混ぜご飯。
19:00 「夕食」
たいてい両親と妹2人の5人で食卓を囲む。父が作ることが多い。
21:00 「自由時間」
YouTubeを見たり、ゲームをしたりしてゆっくり過ごす。

OFFの日スケジュール

OFFの日スケジュール
5:20 「独りでルアー釣り」
休みの日は早く目が覚める。町内各所に釣りスポットがあり、釣り仲間の情報などをもとに出向く。狙いはスズキやメバル。
14:00 「町内の草野球チーム「GOCCI」の仲間と練習」
20代中心の若者によるチームがあると知って今年から加入。メンバーは男女混合で、保育士や警察官、県職員など職業もさまざま。視野が広がり、友達が増えた。
20:00「自由時間」
同級生のインスタグラムを見たり、ラインで連絡を取ったりする。
befor after
befor after

平木さんの移住ストーリー

移住前のくらし:岡山市内の専門学校に進学1年時に小型船舶免許も取得
 隠岐島前高等学校卒業後、岡山理科大学専門学校アクアリウム学科に進学。2年間、水生動物の生態や繁殖などの知識、飼育管理や水槽製作技術を学び、1級小型船舶免許も取得。魚を育てる楽しさを実感し、早く仕事として取り組みたいと強く思うように。
島根との出会い・決め手:職場体験学習をきっかけに地元での岩ガキ養殖目指す
 幼い頃から釣りが好きで、中学生の職場体験学習では島根県栽培漁業センターへ。ヒラメなどの稚魚育成や岩ガキの種苗生産を見て、養殖業への関心が高まりました。日本で初めて岩ガキ養殖に成功した漁師が町内にいると知り、後続を目指しています。
移住のためにしたこと、考えたこと:西ノ島町役場を通じて産業体験事業を知る受入先との面談経てUターン
 専門学校在学中、両親に卒業後の希望を伝え、西ノ島町役場に相談。産業体験事業を紹介され、実践者による指導があることを知り、活用することに。受入先として紹介された奥板和則さん(65)と面談。仕事の流れを聞いて、挑戦を決意します。「隠岐でカキと言えば岩ガキですが、岡山ではマガキ。早く自分のしたいことを学びたかったし、大好きな地元に戻りたかった」と卒業後すぐにUターンしました。
今のくらし:体験修了後、師匠の下で研修オフには好きな釣りや野球
 1年間の産業体験を経て、2022年4月から奥板さんの下で研修中。岩ガキの出荷シーズンは、週休1日で午前7時半から船に乗り込みます。8~2月のオフシーズンは、ヒオウギ貝養殖や、岩ガキの種苗育成などに従事。休日は、趣味の釣りをしたり、町内の草野球チームで汗を流したりして、充実した時間を過ごしています。

平木さんの産業体験レポート

ベテラン漁師に師事し、
マンツーマンで技術をキャッチ
将来は「島一番の養殖漁師に」

生まれ故郷の西ノ島町で、岩ガキ養殖の漁師を目指すと決めた平木さん。専門学校時代にふるさと島根定住財団の産業体験事業を知りました。「師匠が導いてくれるなら、養殖を早く覚えられるかも」。受入先の漁師、奥板さんと面談し、一層前向きな気持ちになりました。
 卒業直後の2021年4月から奥板さんに師事。出荷シーズンなので早朝から船で養殖イカダまで出向くのですが、当初、慣れない平木さんは8時始業。まずは奥板さんらが持ち帰った岩ガキの塊から、なたで1個ずつ貝を引き離します。次に殻表面についたフジツボなどを機械できれいに掃除。「一日中、カキを割ったり磨いたりで、想像以上に大変でした」と平木さん。「力の入れ具合や機械の使い方が悪くてカキが割れたことも。その時は落ち込みましたね」。
 1年間の産業体験を経て、現在は研修生。シーズン中の始業時間も早まり、イカダからカキの付いたロープを引き上げる作業も担うようになりました。「怒られることもありますが、聞いたら何でも教えてくれるのでとても勉強になっています。将来は島一番の岩ガキ養殖漁師になりたいと思っています」。

島一番の養殖漁師に!

受入先の視点

奥板和則さん

[受入先]
奥板和則さん

技術や知識は少しずつ習得すればいい。
頑張れば、収入アップも夢じゃない

自らも兵庫県からのUターンだという受入先の奥板さん。父の跡を継ぐために故郷に戻って約15年、岩ガキ養殖に従事してきました。年を重ね、後継者育成を考え始めた最中に産業体験事業を知り、今回初めて平木さんを受け入れました。「真面目だし、教えたことを少しずつ自分のものにしている」と、“弟子”の成長に目を細めます。当初からフルで働いては体も気持ちもしんどいはず、と産業体験期間中は就業時間や作業内容にも配慮。船に乗せたのは、岩ガキのオフシーズンに行っているヒオウギ貝養殖の作業からでした。「平木君は小さい時から慣れているとはいえ、海の仕事は大変」。イカダから岩ガキの付いたロープを引き上げるには、バランスの悪い丸太の上を乗る必要があり、奥板さんですら落下したこともあるそうです。「絶滅危惧種のような仕事。でも頑張れば、収入が伸びるのも事実。羨まれるような存在になってほしい」。