多古大敷網組合の漁船。奥さんはこの漁船に乗り込み漁を行っている。

好きな海に関わる漁業という仕事につくことができた

 神奈川県の港湾関係の仕事についていた奥広樹さんは、大の海好き。全国各地の海を巡り、サーフィンや釣りなどを楽しんでいた。7年前に結婚し順風満帆な一方、家庭を持つことで自由に海遊びができなくなり、ストレスを感じていた。「それなら海に関わる仕事をしよう!」と、漁師になることを考えた。

 島根の海には何度か訪れたことがあったので、「漁師となり素潜りをするのなら島根」と思ったという。それから、知人から情報を得たり、東京で行われたUIターンフェアへも行った。そこで定住財団の支援員や島根県水産課の担当とつながり、漁師になる一歩を踏み出した。運よく、港町の空き家をもらえたことで住まいが決まり、多古大敷網組合で産業体験をすることに。漁業の仕事は朝が早い。4時に出港し、定置網の漁へ出る。奥さんは一番大きな船に乗り、魚が逃げないように網を引き寄せる役割をしている。港へ着いたら魚の選別を行い、その後、網を直すなど、昼まで仕事を行う。

 「やはり朝早く起きることが慣れるまで大変でした。仕事は皆さんに教えてもらいながら、覚えているところです」と奥さん。天候により仕事が左右されるため、臨機応変に対応することも試される。年内には漁業権を取得し、午後からの空いた時間に素潜り漁にも挑戦したいという奥さん。好きな環境での生活に夢はふくらむばかりだ。

漁が終わると網の修理などを行い、次の漁への準備をしている。

住んでよかった!

地域の人に助けられている

地域の方の厚意で、家や小型船を譲ってもらえ、とても感謝しています。子どもたちも地域の中で育ててもらっています。

Iターン者とのつながり

同じ大敷組合の人やご近所さんなど、同じ境遇のIターンの人とつながり、家族ぐるみの付き合いをしています。

Profile

奥 広樹さん

神奈川県出身。同県で港湾の仕事に13年携わる。漁師を夢見て2019年2月に松江市島根町へ家族で移住。現在、多古大敷網組合が受け入れ先となり産業体験中である。

UIターンしまね

産業体験事業

島根県外にお住まいの方が、島根県にUIターンして農林漁業や伝統工芸、介護などを受入先のもとで長期間体験する場合に活用できる事業です。体験期間中は、滞在に必要な経費の一部を助成します。島根県で農林漁業等にチャレンジしてみたいとお考えの方は、お気軽にふるさと島根定住財団にご相談ください!

対象

①島根県外在住のUIターン希望者
②県内で地域おこし協力隊として活動し終了後も県内に在住する者
 (活動終了後1年未満)
③県外から県内の大学等に進学し卒業後も県内に在住する者
  (卒業後1年未満)

助成期間

3ヵ月以上1年以内 ※伝統工芸は2年

体験内容

農業・林業・漁業・伝統工芸・介護

●体験者助成

120,000円/月

※県内に居住している父母又は祖父母と同居の場合、
二親等以内の親族が受入先となり体験を行う場合

60,000円/月

※伝統工芸の2年目

60,000円/月

●親子連れ助成

30,000円/月(1世帯あたり)

●介護を体験する場合、介護職員初任者研修養成
講座受講にかかる経費を助成(上限72,000円)

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しまねUIターン情報誌 BeanS vol.63