こんにちは!山陰のタウン情報誌「ラズダ」の編集部あつきちです!
突然ですが、みなさんはスイーツ、何が好きですか?パフェ、ケーキ、クレープなどなど。挙げればキリがないほどに、スイーツっていろんな種類がありますよね。
今回は島根県が誇る、見た目も美しいスイーツをピックアップ。島根県産食材を使った絶品スイーツ、元プロボクサーが営む元気カフェと、スイーツだけにとどまらず思わず“島根のファン”になっちゃいそうなステキスイーツを集めてみましたよ!
安来市『SHERIE CAFE』の「季節のパフェ」
島根フルーツの魅力てんこ盛り!パフェ求めて県外客も
牧歌的な田園風景が広がる安来市柿谷町。この場所に、新作が登場するたび話題を集めている“地元推し”カフェ『SHERIE
CAFE』があります。
名物はなんと言ってもこの「季節のパフェ」(1500円)。地元の農家さんを応援したい思いから、安来市を中心に、山陰各地のとびきりおいしいフルーツを使用。取材に伺った秋口には、地元フルーツ園のぶどうを盛り込んだパフェが登場していました。
ひと房数万にもなる高級ぶどう「神紅(しんく)」の上品な甘み、シャインマスカットのほど良い酸味を含んだ軽やかさ、どこをすくっても幸せになれる味!
そのほか、春には安来産のいちごが登場したり、桃のパフェがお目見えしたり。フルーツの旬に合わせて内容も様変わりするため、早いものでは1~2週間で売り切れることも。“今だけ”のプレミアム感も相まり、SNSで話題になっています。遠くは広島や大阪などからもわざわざ島根パフェを求めて訪れる方もいるそうですよ!
そんな島根推しのお店ですが、実はオーナー・坂本さんは県外からのIターン者(しかも元プロボクサー!)。大阪やタイで飲食業に携わっていた際、安来市の農家さんに惚れ込んで、奥さんのご実家がある安来市へ。農家さんを通してどんどん輪が広がっていき、いろんなフルーツパフェが登場するようになったみたい。
パフェだけでなく、ランチも評判。主食には坂本さんが尊敬してやまない安来の米農家・吉村さんのお米、または地元の老舗ベーカリーのパンを選べます。スイーツだけでなく、メニューのあちこちに島根愛がいっぱい。
メニューもお店の雰囲気も完成度高い『SHERIE
CAFE』ですが、オーナーいわくまだまだ未完成なんだとか。今後はヤギを飼いたい!祭りをしたい!ジムを開きたい!など、野望までもフルーツに負けずてんこ盛りでした。
出雲市『グランシェノン』の「ローズブラン」
誰もが惚れ込む“魔性”のスイーツに要注意!?
ケーキひとつ、1300円。地元の人を驚かせたのはその金額だけでなく、気品あふれる香りに味わい、そして艶やかな見た目。平日3個、土日祝5個限定(予約可能)のプレミアム感も相まって、「ローズブラン」は今や出雲スイーツシーンの話題の中心に。
島根にある『奥出雲薔薇園』の食用バラ「さ姫」を、濃厚な香りだけ抽出した超高級な蒸留水「ローズウォーター」が味・香りの決め手。ひと口食べると華やかなバラの香りが口の中に広がり、一瞬で幸福感に満たされますよ!
「ローズブラン」を販売しているのは出雲市『Flower&Patisserie
Grand
Chainon(グランシェノン)』。花屋とケーキ屋が一体になり、フローリストの兄、パティシエ兼ショコラティエである弟・ショウジさんの兄弟が切り盛り。
考案した本人・ショウジさんすらも「高いです!」と声をあげる看板スイーツ「ローズブラン」。都会ならまだしも、なぜ地方である島根で1300円の価格にしたの?
その答えは「おいしいケーキを作りたいから」というシンプルな言葉でした。
大田市出身のショウジさんは東京で研鑽を積み、洋菓子の全国大会で2年連続優勝するほどのスゴ腕さん。それだけにスイーツへの思いは強く「300円程度のケーキを作ろうと思えばいくらでも作れるし、その方が利益率も生産効率もいい。けど手間がかかっても、いくら材料が高くても、自分は本当においしいお菓子を作りたい」。「ローズブラン」はショウジさんの思いと、夢を具現化したとびきりのスイーツなんですね。
と、強気に見えるショウジさんもオープン前は、フランス菓子の店がない出雲で、高価格な商品は受け入れられるのかと不安だったそう。でもその不安とは裏腹に、オープンから1年経たないうちに、すでに地元の人たちをトリコにし始めています。
ショウジさんのケーキ作りにおけるテーマは「軽やかだけど味わい深いケーキ」。バラを使った唯一無二のケーキが島根にありますよ。一度食べたら忘れられない、ある意味魔性のスイーツ。おひとついかが?
益田市『Fruits moritani』の「フルーツパフェ」
フルーツが主役!全国各地の旬が詰まったオールスターパフェ
島根のシャインマスカット、長野のピオーネ、静岡のクラウンメロンに、安曇野のシナノリップ(りんご)。取材時は合計8種類ものフルーツが器からはみ出るほどに盛られていました。使われる果物はすべて贈答用のもので、全国各地からその時の旬を取り寄せ。さらにそこから、代表の森谷さんをはじめ、厳しく吟味された特に品質が高い一級品がパフェとなって登場。
つまり、訪問時のイチバンが味わえる、まさにオールスターパフェなんです。
人口4万人程度の小さな街、益田市の駅前で、ひと際異彩を放つお店『Fruits
moritani』。「都会も田舎もどっちも好き」と話す森谷さんの「老若男女が入りやすい都会的なお店」との無茶ぶりを叶え、2020年にリニューアルしたフルーツの発信基地です。
いいものを少しずつ並べたディスプレイ、フルーツみたいにはじけるスマイルの女性スタッフさん。一瞬、“え?ここ島根!?”と疑っちゃいそうになるほどの洗練された雰囲気に、やさしい空気感が漂っています。
ここ最近は、日本フルーツアドバイザー協会の再設立に奮闘する森谷さん。島根から全国へ向けてフルーツの魅力を発信する広報マンいわく、「島根周辺のフルーツは、豊かな土壌や水質に加えてミネラルを含む風がポイント。とにかくレベルが高い!」とのこと。その言葉通り、今回のパフェにも全国の猛者の中に、津和野町のブルーベリーや出雲市多伎町のいちじくも。
「フルーツパフェ」はお値段2100円。だからこそ、「今日は気合入れるぞ」なんて時のカンフル剤に、「あのパフェを食べるために頑張ろう」といった原動力に。そういった“目的にしたくなる一品”なのかも。
地元民も知らないメイドイン島根の良さをパフェ、フルーツサンド、ジュースなどで伝えている『Fruits
moritani』。贈答用果物を使った加工品などもあるので、お土産選びにもオススメですよ!
邑南町『Milk&Beans Mui』の「香木の森手づみローズマリーとレモンのクリームソーダ」
島根の魅力を全国区に!“毎日違う味”の自然の恵みがたっぷり
隣接するハーブガーデン『香木の森』の手摘みローズマリーとレモンを煮詰めて作ったシロップを使用。レモンの酸味にローズマリーの香りがチラリと現れる爽やかな一杯です。さらに上にはたっぷりのソフトクリーム。365日24時間、自然放牧されている乳牛の生乳や、地元酪農家さんの朝しぼり生乳の無添加ソフトクリームで、提供からすぐに溶け始めるほどのクリーミーさ。ひと口食べれば、やさしくも濃厚な生乳の味わいが口いっぱいに広がっていきます。甘みと酸味、そしてミルクの具合がベストマッチ!
シンプルに牛乳のうま味を味わうならシュークリームも要チェックです。
『Milk&Beans
Mui』は店名の通り、無添加ソフトクリームやジェラート、そしてチョコレートが評判のお店。グルメの町として地域おこしに取り組む邑南町の人気店です。
こちらを運営するのは地元企業のシックス・プロデュースの代表洲濱さん。2004年、自然放牧による生乳の生産と加工、商品化をスタート。有機栽培をはじめとする食の安全への意識の高まりも受け、県内外の協力牧場も増加中。工業製品的ではない、自然なうま味を持つ自然放牧牛乳と、各農家さんのクラフト牛乳、それぞれの魅力を発信するネットワークが、邑南町を起点に全国へ拡大していっています。
牛乳以外にも、ビーントゥバー(カカオ豆からチョコレートバーになるまでワンストップで製造すること)のチョコレートも話題ですし、本格コーヒーもわざわざこれ目当てで訪れる人もいる看板商品のひとつ。製造が追いつかないほどの人気ぶりだそう。
最近では全国各地から業務用の問合せも多々。自然放牧牛乳やチョコレートを使った商品開発など、邑南町に根差した企業へ全国から熱視線が集まっています。
お店がある邑南町は高原でもあり、外に出ればふわりと心地いい風が吹き抜ける絶好のロケーション。すぐ近くの『香木の森』を散策したり、バンガローでアウトドアを満喫したり。おいしいスイーツと合わせて、邑南町の魅力をとことん満喫してみてくださいね~!
※こちらの記事は2022年11月公開