こんにちは!山陰のタウン情報誌ラズダの編集部みずっちです。
お酒を嗜む場所から、今ではランチができるお店も多くなった居酒屋。アットホームな雰囲気のお店なら交流を楽しむ場所としてもいいですよね。
今回は島根県内に移住し、居酒屋を営む人々をピックアップ!移住先で培った地元の食材や文化を活かし、個性あふれる店作りに励むオーナーたち。その想いや、料理・店づくりのこだわりを紹介します。
移住者が営む心落ち着く居酒屋3選
【松江市】海鮮 海彦
獲れたての感動。海の幸を贅沢に
東西に長く海岸線が続く島根県は、四季折々にさまざまな種類の魚が獲れる海の幸の宝庫。釣り好きなら目を輝かす絶好の釣り場が数多く点在します。
松江市にある『海鮮 海彦』の店主も大の釣り好きのひとり。魚釣りが好き過ぎて2018年に福岡県から島根県へ移住。その後、漁師として海に出るかたわら、獲れたての魚のおいしさと価値を知ってもらいたいと居酒屋をオープンしました。

お店では店主自ら釣り上げた魚をはじめ、大田市久手港から直送された新鮮な魚介類を味わえます。街ナカにありながら、鮮度抜群の魚介が食べられると評判に。テレビ、メディアの取材、松江のプロバスケットボールチーム「島根スサノオマジック」の選手もよく訪れる注目のお店となりました。


島根県はとにかく近場でいい魚種が釣れるのがいいところ!釣り好きがとことん釣りを楽しめる「海彦釣り部」という大人の部活を作って、遊漁船や仕入れ便の営業も。
店内はカウンター席と4人が座れる座敷の個室がひと部屋。カウンター席からは漁師である店主の魚捌きが目の前で見られ、料理を待つ時間も特別な体験に。海の状況によって毎日釣れる魚が異なるので、もしかしたら珍しい魚が見られちゃうかも!?
お客さんとの距離感がちょうどいいこの空間に魅力を感じました。釣ってきた魚の話や、一般的なスーパーでは出回らない珍しい魚の話、馴染みのない部位を提供する際にお客さんと話しやすくて。同郷の人が来店した時は話が盛り上がりますね!
『海鮮 海彦』に行ったらこれ!

●自家製白イカ一夜干し
山陰地方で特に親しまれている地元ならではの逸品。大田市で獲れた白イカを、新鮮なうちに短時間干しでうま味を凝縮しています。厳選されたこだわりのお酒をしっぽり嗜みながら、肉厚で柔らかい白イカを堪能してみて。

●海鮮丼
獲れたての新鮮な魚を贅沢に味わえる一杯。地元で獲れた魚しか使わないので、マグロやウニなど派手なネタはなし!その分、鮮度最高峰の硬派な海鮮丼は、釣れた魚や仕入状況により内容が毎日変わるので、訪れる度にさまざまな魚を楽しめますよ。
島根移住を考えている人へメッセージを!
試しに一週間でも住んでみて、街の空気を感じた方がいいんじゃないでしょうか。住む環境によって気温も違うし、まったり釣りがしたくても冬場は思っていた以上に寒かったり、海が荒れていたりで、ひと月に釣りができるのも数えられる程度。それこそ田舎の方だと虫の問題も。お店に来てくれたら島根の話を本音全開で案内しますよ!笑
海鮮 海彦(カイセン ウミヒコ)
電話:0852-69-1271
住所:島根県松江市西川津町845-9 [MAP]
営業:11:00~14:30(LO14:00),17:30~22:30(LO22:00)
定休:日・月曜
駐車:2台(隣接駐車場6番、7番)
情報:HP
Instagram
【出雲市】BeerTeria CNA
神話と歴史の街を彩る街の小さなクラフトビール店
縁結びの聖地「出雲大社」をはじめ、歴史深いスポットが点在する観光地の出雲市。市内には、「日本夕陽百選」にも選ばれている「宍道湖」と、年間約100種類もの野鳥が見られる「神西湖」という2つの湖があり、伝統や文化のみならず多彩な自然にも恵まれています。
そんな豊かな出雲市でクラフトビールの魅力を発信しているのが『BeerTeria CNA 』。国内外のクラフトビールの美味しさはもちろん、ビールの流行を島根の地域住民に伝えています。また、島根県雲南市産の職人手作り猪ソーセージなど、地元の食材を活かしたビールとも相性バッチリの創作料理が楽しめます。

「カフェやレストランに行くように、気軽にクラフトビールを楽しんで欲しい」という店主の思いから、「Beer」+「Cafeteria」の造語『BeerTeria(ビアテリア)』と、店主の名字『CNA(椎名)』を組み合わせてお店の名前が付けられました。「地元の方々が県外に自慢できるようなお店、クラフトビール愛好家も行ってみたいと思えるお店を目指している」と目標を掲げます。
店主の椎名さんは2020年に東京から出雲市へ移住。島根県は全く縁のない土地でしたが、本サイト「くらしまねっと」を運営する「ふるさと島根定住財団」主催の移住フェアにたまたま参加し、直感を信じてトントン拍子で移住に至りました。
東京生活に疲れてきて、ぼんやりと移住を考え始めた頃に移住フェアと出会いました。まずは移住する前に3日間かけて松江市や出雲市のいろんな場所を訪問。その時に「いいや、来ちゃえ!」という感情になり出雲市への移住を決断しました。


元々、和食のお店だった空き店舗をガラリとリノベーション。椎名さん自らが解体・改装を手掛け、壁にはポルトガルタイル作家さんの作品を全面に設置。海モチーフデザインタイルは、お店のシンボルになっています。
配置された家具は実家の家具工房『Shiina Keiji Atelier』によるもの。いずれも独特なデザインながら機能性と造形美を感じる作品です。
ここの物件を見た時にとても魅力を感じて、ひと晩考えて翌日の朝には契約をしました!笑
当時の勤め先にもすぐに退職することを伝え、お店づくりに専念しましたね。
『BeerTeria CNA』に行ったらこれ!

●クラフトビール
ここへ来たらもちろん飲みたいクラフトビール!「しっかりおいしい本物のクラフトビールを」と強い信念で厳選し、ベルギービール中心に国内外多数の商品を取り揃えます。普段からクラフトビールに馴染みがないと多種多様な種類に少し困惑するかもしれません。けれどスタッフさんが丁寧に説明してくれるので気軽に聞いてみましょう。ラベルのデザインもユニークなものが多いので、パッケージを見て選ぶ楽しさもありますよ!

●フィッシュ&チップス
フィッシュのサクサク衣がビールとの相性抜群!太めなポテトも外はカリッと、中ホクホク。ビール文化が盛んなヨーロッパのパブではフィッシュ&チップスとビールを一緒に楽しむのが定番スタイル。店内のオシャレな雰囲気も相まって、気分はまるでプチ旅行!
クラフトビールを楽しむうえで、料理との組み合わせも重要なポイント。いろんな料理とのペアリングを工夫することで新たな味わいを発見できますよ。
島根移住を考えている人へメッセージを!
私もそうですが、先輩移住者を知っているなら現地の“生の声”をもっと聞いた方がいいと思います。何かやりたいことや可能性が欲しいのであれば、地元地域の方々の暮らしを尊重しながら移住者ならではの視点を持って、どんどん積極的に行動しましょう。そうしていると中には壁になることが起きるかもしれません。けどそんなの気にしててもしょうがないので、同じ志を持つ者や仲間がいるのであれば一緒に前に進んでいきましょう!
BeerTeria CNA(ビアテリアシーナ)
電話:0853-35-1551
住所:島根県出雲市塩冶町1283-7 [MAP]
営業:1月~3月18:00~24:00(LO22:00) ※土日を含む全ての営業日
4月~12月 平日18:00~24:00(LO22:00)、土日祝15:00~24:00(LO22:00)
定休:不定休
駐車:4台
情報:Facebook
Instagram
【津和野町】ひょうたん矢澤
隠れ家酒場でこだわりの一品を味わう
島根県西部に位置する歴史ある町、津和野町。江戸時代から続く美しい城下町は“山陰の小京都”とも言われ、県外から訪れる人も多い人気の観光エリアです。
四季折々の自然と文化が楽しめるこの場所にあるのが『ひょうたん矢澤』。地元野菜を使った日替わりメニューや日本海の幸、そして店主こだわりの音楽に浸ることができます。

「お店の名前にある“ひょうたん”は以前ここにあったお店から受け継いだ」と笑顔で語る店主の矢澤さんご夫妻。海外を含めて各地へ旅をしていたというトラベラーさんです。奥さんの知り合いに誘われて当時住んでいた沖縄・石垣島から津和野町へ移住しました。
津和野町は食材が豊かで、お米、野菜、ちょっと行ったら海のものも手に入る。酒蔵もあって本当においしいお酒が飲めるのが最高です!


店内はほど良い広さでアットホームな雰囲気が満々。カウンター席で地酒を嗜むのもよし、友人とワイワイするもよし。ほかのお客さんと相席になることがあるので、一期一会の出会いから話に花が咲くことも。そして驚くべきは店内の内装。なんとご夫婦自らDIYで作り上げられたこだわり空間なのです!
約2週間かけて仕上げた内装です。特に知恵を捻って作った蛇口のコート掛けは、建築関係のお客さんも驚いてくれています!笑
『ひょうたん矢澤』に行ったらこれ!

●自家製干物 カマス
パリッと香ばしい自家製のカマスは、店主自ら道の駅で仕入れて干物に。うま味がギュッと詰まったふっくらとした身は津和野の地酒とも相性抜群!自家製干物はその他にも、スズキやクロムツ、サバやソウダガツオと豊富な種類を味わえますよ!

●ねぎ玉
ふんわり半熟に仕上げた玉子と、甘くてとろみのあるシャキシャキ食感のネギがたまらない!味付けは奥さんが子どもの頃に実家で食べていたおふくろの味を再現。この味を求めてわざわざ遠方からもお客さんが来る人気の逸品です!
島根移住を考えている人へメッセージを!
初めての移住をする場合、移住先で自分が何をしたいのか“目的”を明確に。また、その場所でしっかりコミットできるかどうか、考えておいたほうがいいと思います。自分の意志で幸せな状態をキープできるならば、まずは一歩動いてみてはどうでしょうか。
ひょうたん矢澤(ヒョウタンヤザワ)
電話:080-8488-7631
住所:島根県鹿足郡津和野町後田イ57 [MAP]
営業:18:00~24:00
定休:月・火曜
駐車:あり
情報:Facebook
Instagram
※こちらの記事は2025年4月公開