豊かな自然に
恵まれた中で
仕事も子育ても
楽しみたい!

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雲南市の中心市街地から車で20分ほど。
雲南市掛合町は中心に三刀屋川が流れ、
周囲を山々に囲まれた自然豊かな町だ。
中澤太輔さんは、祖父の興した会社を継ぐために
自らの意思で20代半ばに東京からUターン。
現在は2児の父として、
家族の時間を大切にしながら、
育児と仕事の両方にがんばる日々を過ごしている。

自然に育まれた子ども時代。
この町で祖父の会社を受け継ぐ。

「祖父がつくった会社を父の代で終わりにすることはできないと思い、この町に帰ってきました」と話すのは、7年ほど前に20代半ばで東京から雲南市掛合町にUターンしてきた中澤太輔さん。現在は父が代表取締役を務める㈱中澤建設で、取締役として親子で会社の舵を取る。中澤建設は公共の建物や道路建設といった、公共事業や土木工事によって、地域の発展やインフラ整備に貢献してきた総合建設会社だ。創業者である祖父は他にも複数の事業を手がけ、地元の名士として知られる人物。しかし「祖父や父からは後を継ぐように言われたことはなく、のびのびと育ちました」と中澤さん。掛合町の自然を相手に、野山で遊んでいたという。

掛合町は雲南市の南部に位置し、中心市街地の三刀屋や木次から車で20~30分ほど。中国山地の山間にあり、中心を走る国道54号沿いに民家や工場、田畑が広がる。国道と並行して流れる三刀屋川は、澄みわたって美しい。子どもたちの遊び場は、今も昔もこの豊かな自然の中だ。基地ごっこや虫捕り、川では水遊びやザリガニを捕まえたり、冬になれば雪合戦をしたりと中澤さんもきょうだいや友だちとやんちゃな子ども時代を過ごした。

地域の大人たちに見守られて
安心して子育てができる。

Uターン後、雲南市内で起業したIターン者の女性と知り合い4年前にゴールインした。現在は1歳と3歳の姉妹の父だ。「都会で子育てをした経験がないので比べることはできませんが、田舎で子育てができて良かったと思います。自然が豊かですし、実家が近いので困ったときに頼れる存在があるのはありがたいです」。近所には中澤さんの姉家族も暮らし、子どもたちを連れて遊びに行くこともしばしば。子ども同士はきょうだいのように育っている。中澤さんは都会で子育てをしていたら、こんな風にたくさんの人に囲まれて育つことはなかっただろうと話し、「子育てする上で、大人の手が多いのは助かりますね」と両親や姉家族に感謝する。また家族だけでなく、地域の大人たちも子どもの成長を見守ってくれている安心感があるという。「娘たちと散歩をしていると近所の人が挨拶をしてくれたり、『大きくなったね』と声をかけてくれたりして、周りの人たちが温かいです」。

地域の人とのこうした距離感について、中澤さんは「狭い地域なので人のつながりが密で、都会の人は戸惑うかもしれない」と話す。一方で、「自分のしたことが身近な人の役に立っていると実感できる」とも語る。「例えば仕事で公共事業や除雪作業などを手がけると、地域の人の喜びがダイレクトに伝わってきます。『道路が直って安心した』『除雪してもらえて助かった』など生の声が聞こえるので、やりがいになりますね」

豊かな自然の中で、
家族とともに過ごす時間が宝物。

中澤さん夫婦はそれぞれが事業の経営に携わっているため、お互いに多忙だ。このため家事や育児の分担は当たり前という。朝は奥さんが通勤途中に車で保育園へ送り、早く仕事が終わったほうがお迎えを担当する。下の子の離乳食の用意、お姉ちゃんと大人の分の晩御飯づくり、子どもたちのお風呂、寝かしつけなど、手の空いているほうが率先して行っている。「お姉ちゃんは口が達者になってきて生意気なことを言ったり、寝かしつけでは『ママがいい』と言われたり……(苦笑)。でも娘たちの成長が愛おしくて、家族一緒に過ごす時間はかけがえのないものです」と優しいパパの顔を見せる。

中澤さんは独身時代からアウトドアが好きで、子どもが生まれてからは天気が良い休日には家族で雲南市内や近隣市町のキャンプ場に出かけることがすっかり定番になった。「身近に自然があるので、思い立ったらすぐにアウトドア活動ができるところが田舎の良さ。妻が家でゆっくりしたい時は、僕と娘たちだけで出かけたり、キャンプをしたりしています」。地元の一番のお気に入りの場所は「日本の滝百選」にも選ばれた「龍頭が滝」。中澤さんが子どもの頃から遊び親しんだ場所だ。「迫力があって、滝の裏側にも行くことができる『裏見の滝』なのでちょっとした冒険気分を味わえます」。滝壺周辺は子どもでも水遊びができる浅さで、中澤さんの子どもたちにとってもお気に入りの場所になった。

みんなを受け入れてくれる
住み心地の良さ。

中澤さんが暮らす雲南市は地元企業へのサポートが手厚く、起業支援などを行って若い世代を呼び込む施策に力を入れている。「雲南市に限らず島根県全体に言えることですが、若い世代が何かをしようとするのを応援する空気があります。実際に雲南市はIターン者や起業する人が増えていますし、僕自身も建設業とはまた別に、友人とアウトドア関連の事業を始めました」。2019年、地元の掛合町で友人と始めた室内キャンプ場には県内外から人が来ているほか、地元の人たちも同窓会などで利用しているという。「人と集まることが好き」という中澤さんは、子どもが生まれる前は地元の同世代の仲間たちと空き家になっている建物を利用してコミュニティスペースにしたり、地域の人たちと一緒にソバの種を植えて栽培したりもしていた。「移住者や若い人たちも受け入れてくれて、一緒に活動してくれます」と話す。

また、親になったことで、子どもたちの未来のために何かできないかと模索中でもある。「地域の少子高齢化は進んでいますが、子育て世代はきょうだいがいる家庭が多く、僕たちだけでなく多くの人にとっても子育てしやすい環境なのだと思います。具体的に何をするかはまだ考えていませんが、地域の子どもたちが自分の未来を切り拓けるような取り組みを考えていきたいです」。自身の子どもたちには、まずは家でのお手伝いから。「よく手伝ってもらうのは料理。子ども用の包丁を持たせて野菜を切ってもらったり、サラダを混ぜてもらったりしています」。危ないからと何でも遠ざけるのではなくて、きちんと使い方ややり方を教えてあげたいと話す。「雲南市は山や川の自然に恵まれ、少し遠出をすれば綺麗な日本海があります。川で遊んだり、キャンプで火を使ったり、自然の中でしか体験できないことがたくさんあります。この環境を生かしてたくましく育てたいです」

中澤太輔さん
中澤太輔さん
雲南市掛合町で4人きょうだいの3番目に生まれる。高校まで地元で育ち、大学進学のため大阪へ。卒業後は奈良県の金属加工会社に就職し、同会社の東京営業所配属。その後Uターン。4年前に結婚し、現在は2児の父。 ※掲載記事は取材時点の情報となります。

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