島根で見つけたアウトドアの魅力。
キャンプに釣りに
大自然を満喫中!
教育に関するキャリアを積むため、
2019年に島根県雲南市へと
移住してきた鈴木利空さん。
生まれ育った福島県を離れて
新しい土地で見つけたのは、
身近にある大自然で遊ぶアウトドアの趣味。
仕事も遊びもやりがいを感じながら、
日々の暮らしを楽しんでいる。
「生まれ育った場所とは違う土地で仕事をすることで、自分自身もっと成長したいと思ったんです」
島根県雲南市に移住してきた理由を、そんなふうに鈴木さんは語る。出身は福島県の会津若松市。歴史の舞台としても名高い土地で生まれ育ち、大学卒業までを福島県で過ごした。
大学では教育学部に所属。教育について学んでいく中で、学校の授業だけでなく、子どもたちの心に寄り添った指導や、心の居場所を求める子どもたちへの支援活動に興味を持つようになっていった。
大学4年生の時には教育NPOのインターンシップに参加し、福島県の中でも震災の被害が大きかった町の学校で、半年間ほど教育の支援に携わった。「その教育NPOには民間企業や国際NGO出身者など、多様な背景を持っている方が数多くいました。その方たちと話をするうちに、さまざまな経験を積むことの大切さを感じ、県外に出ようという気持ちが湧いてきたんです」
福島の中からは見えない、外の世界からしか得られないものがたくさんあるかもしれない。教師として勉強以外のことも子どもたちに伝えるためには、まず自分自身がキャリアを積む必要があると、鈴木さんは強く感じるようになっていったという。
そんな思いの中、教育NPOから「島根県の雲南市で仕事をしてみませんか?」と一本の電話を受けたのは大学卒業を控えた3月のこと。「縁もゆかりもない土地でしたが、行かせてください!と即決しました。勢いとやる気だけです。本当にゼロからなんでも学ぶ気持ちで来ました」と鈴木さんは笑う。
雲南市に移住してきたのは大学を卒業してすぐの2019年4月。市内にある二階建て一軒家を住まいに一人暮らしを満喫中だ。「贅沢ですよね。田舎ならではの特権です」と話す。
仕事では市内の高校で教育魅力化推進事業に携わり、授業で扱うプログラムの策定を手掛けるなど、学校の内外で精力的に活動している。鈴木さんが作業や打ち合わせによく利用するのは市内の商店街にあるコワーキングスペース。古民家をリノベーションして作られたノスタルジックな空間で、2階はシェアオフィスになっている。
真剣な表情でパソコンに向かう鈴木さん。カリキュラムづくり一つにも余念がない。「雲南の子どもたちは本当に素直で、地域の人たちも学校教育にとても協力的。あたたかい人が多いですね。こんな素敵な土地柄だからこそできる教育がきっとある」と目を輝かせる。今取り組んでいる事業を5年、10年先の雲南市の子どもたちのために残していきたいと語るその表情から鈴木さんの真摯な人柄が垣間見える。
そんな鈴木さんが島根に来てから一番ハマっている趣味はキャンプ。「移住後に知人からアウトドアの楽しさを教えてもらいました。身近にある島根の大自然の魅力に引き込まれました」と鈴木さん。休日ともなると愛車にキャンプ道具を積み込み、キャンプ場へと向かう。雲南市には複数キャンプ場があり、仲間とのキャンプはもちろん、最近は一人で行くソロキャンプも楽しんでいる。
鈴木さんがよく行くという「きすき健康の森キャンプ場」を訪れた。周辺の山々を望む高台にあり、広々とした敷地の中で自然を満喫できる気持ちの良いキャンプ場である。
お気に入りの場所にテントを張り、焚き火台に薪をくべて火をつけ、こだわりのキャンプ飯を作る。「時間を気にすることなく、誰にも気を使わず気ままに過ごしています。本を読んだり、お酒を飲んだり、ただ焚き火の火を眺めていたり。その非日常感がたまらないですね。島根ってこんな贅沢な時間が手軽に楽しめるんだなって」とキャンプの魅力を語る。
山だけでなく、海や湖の見える場所のキャンプ場など、島根県内ではいろいろなロケーションでキャンプが楽しめる。「さまざまな自然の顔をもつ島根ならでは。初心者でもすぐに始められる環境が整っているし、まだ行ったことのないキャンプ場をこれから巡るのが楽しみ」と鈴木さん。
キャンプのほかには釣りも嗜むといい、出雲や松江の海で釣りを楽しんでいる。「福島にいた時も、父に連れて行ってもらいました。向こうの海と日本海では、やはり海の表情も魚も違いますね」。そんな話をしながら出雲大社近くの岩場で楽しそうに釣りをする鈴木さん。この日の収穫はアオリイカであった。
小学校までは水泳、中学高校時代は硬式テニスをやっていたというスポーツマンでもある。「テニスはテニスコートを借りて友達と月一程度、水泳も時々、市内のプールに行って泳ぎます。あと温泉やサウナも好きですね!島根は温泉がたくさんあるので、西部の方まで足を伸ばしていろんな温泉をめぐりたい」と島根の生活をアクティブに謳歌しているようだ。
島根に来て3年が経つが、コロナ禍もあってまだ行っていないところもたくさんあるという。「もっと県内のいろいろなところに行って、島根の良さに触れてみたい。そしてコロナ禍が落ち着いたら、県外の友人を招いて一緒にキャンプや釣りをして、島根の魅力を知ってもらおうと密かに計画しています」と、弾けるような笑顔で語った。
- 鈴木利空さん
- 福島県会津若松市出身。大学卒業までを福島県で過ごし、教育NPOとの縁をきっかけに2019年に雲南市にIターン。雲南市の教育魅力化推進事業に携わり、休日はキャンプなどアウトドアの趣味を楽しんでいる。 ※掲載記事は取材時点の情報となります。