誰もが、誰かの、たからもの。 LIFE STYLE 04 出産・子育て

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親だけでなく地域と自然が
子どもを育んでくれる

平井さん家族が暮らす横田地区稲原は
奥出雲町の西に位置し、田畑が広がる
山際の集落。
家族が暮らす古民家では、
息子の遥樹くんの遊ぶ声が響く。
ご近所さんが野菜を持って来てくれたり、
畑に野鳥が遊びに来たり。
奥出雲での子育ては毎日が賑やかだ。

平井さん家族は広島県出身の優樹さんと、奥出雲町が地元の妻の千夏さん、3歳になる息子の遥樹くんの3人家族。千夏さんの祖父から受け継いだ平屋の古民家に1年前に引っ越してきた。小学校に上がる前の子供はここ数年この地区にいなかったため、近所の人たちは遥樹くんをとても可愛がってくれるという。「ハルくんと一緒に歩いているとよく声をかけていただきます」。時にはお下がりのおもちゃや野菜をもらうこともある、と千夏さん。「地域全体で子どもを育ててもらっている感じです」と優樹さんも話す。

田舎での子育てで2人が意識していることは、自分たち自身で出会いを増やすこと・選択肢を増やすということ。地域の学校や習い事では幼少期から大人になるまでメンバーが固定されがち。「いろいろな出会いや体験から刺激を受け、多様な価値観を受容できる広い視野を持った大人になってほしいです」と話す。

家の周辺は畑や田んぼに囲まれたのどかな風景。遥樹くんは庭や畑で木の葉を集めたり、飛んだり跳ねたりと元気いっぱい! 畑には山からキジなどの野鳥が遊びに来て、家族でよく観察している。天気が良い日は庭にタープを張ってバーベキュー!狩猟を生業とする仲間に触発され、ふたりも罠猟の狩猟免許を取った。「同じ町内でアパート住まいをしていた頃よりも、自然に触れる機会が増えましたね」。ふたりは自然を身近に感じながらの子育てに満足しているようすだ。

優樹さんは、遥樹くんが生まれたばかりの頃に体調を崩したことがあり、「自分には守るべき家族がいて、一番に大切にしないといけない」と強く意識するようになったという。以来、働き方や自分の健康について考えるようになり、仕事を終えると早く家に帰ってきて、遥樹くんとお風呂に入り、家族みんなでご飯を食べている。そんな何気ない日常を大切にしたいと話す。

優樹さんの4畳半の趣味部屋にはキャンプ道具や渓流釣りの竿やルアーなどが並ぶ。もともとアウトドア好きだったが、自然が身近な環境になったことで機会が増えた。今年の夏は家族で2回キャンプに出かけ、「大きくなったら釣りも一緒にしよう」と遥樹くんの頭を優しくなでる。千夏さんは移住してから家庭菜園を始めた。これまで農業には縁がなかったそうだが、「せっかく畑があるのだから」と鍬を持って裏の畑を耕した。遥樹くんも一緒に野菜の世話をしたり、お芋ほりをしたり。それぞれの趣味が広がり、親子で楽しんでいる。

田舎での子育てを満喫している平井さん夫婦。子どもを温かく育んでくれるこの地域を大切にするために、自分たち自身がこの土地に根ざした生活を送りたいと話す。「家庭、職場、地域のそれぞれで自分ができる役割を増やし、人の役に立てる人間でありたいです」と優樹さん。千夏さんは「地元の人や家族など、自分が大切に思う人たちが幸せになることが自分の喜び」とみんなが幸せになる地域をつくりたいという。「人を幸せにするにはまずは自分が幸せでないと」といい、優樹さんや遥樹くんとの時間を大切にしている。

平井優樹さん・千夏さん
平井優樹さん
千夏
さん
優樹さんは広島県三次市、千夏さんは奥出雲町出身。優樹さんは民間企業の元営業職。 2017年に結婚を機に奥出雲町へ移住。千夏さんは自身が立ち上げに関わったNPO法人で働き、優樹さんは地域おこし協力隊を経て、現在は専門学校で学生支援を担当する。 ※掲載記事は取材時点の情報となります。

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